3月29日

本日のエンゼルポケットニュースは、フィデリックスのハーモネーターについてです。

「音は人間が判断するものだから、数値化できない。」 と以前エンゼルポケットニュースで書いたことがありますが、「それでは何が基準」 ということであるならば、オーディオ製品の場合は、多くの人の声(評判) ということになると思います。
下記に印象や感想が書かれていますので、この商品に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。


フィデリックス AH−120K(アコースティック・ハーモネーター・システム)への良くある質問

Q ハーモネーターの効果は誰もが分かるのですか?

いいえ、近視や遠視の人がいて、声に高い人や低い人がいるように、 聴覚にも高い方に寄っている人と、低い方に寄っている人がいることが明らかになりました。 ハーモネーターの効果は、分かる人の方がもちろん多いのですが、 個人差もあるので必ずしも誰もが分かるわけではありません。 経験からすれば女性は殆どの人がよく分かります。 聴覚には個人差があり、中には芸能山城組のK氏(男性)のように50kHz(サイン波) の有無を確実に言い当てるような人もいます。

100kHzまで再生可能なスーパーツイーターを付ければ100kHzまで出るのですか?

いいえ、超高域を出すためには超高域信号がスーパーツイーターに加えられ、 かつスーパーツイーターがそれを再生できる能力があって初めて音波となります。 ですから超高域が再生可能なスーパーツイーターを付けたとしても、 超高域信号が加わっていなければ再生できません。

Q それでもパルス的な音は非常に高い周波数を含んでいるのではないのですか?

+本来のパルス的な音は非常に高い音を含みます。 しかし、それをCDに入れようとしても、サンプリング周波数44.1kHzの帯域制限を 受けてしまいます。結果としてどんな急峻なパルス信号であってもCDには 最大22.05kHz以上の成分を収録することはできません。

Q CDは約20kHzまでしか入っていないとしてもSACDやDVDaudioなら約90kHzまで入っているのではないですか?

いいえ。マイクロフォンは20kHz以上を収録するのは容易ではありません。 以下はごく一般的なSACDやDVD audioにおける実際の周波数分析例です。

SACDの周波数分析例(リニアスケールで0から100kHz)とその解説


DVD audioのようにオーソドックスなデジタル方式は、ビット数がDレンジを決め、 サンプリング周波数が高域限界を決めます。
1ビットならDレンジが狭くなると思われがちですが、 SACDのようにデルタ・シグマ方式ならサンプリング周波数をうんと上げれば、 1ビットであってもDレンジを上げることができます。 しかし、2.8MHzまで上げたとしても、まだ十分とは言い切れません。
そこでSACDでは、より重要な20kHz以下のノイズを下げ、その帯域でのDレンジを上げるべく、 ノイズシェーピングという技法を用いています。 この技法の副作用は約30kHz以上に、信号レベルとは無関係で、 かつ音楽の高域成分よりも大きなシェーピングノイズとなって表れます。 このままだとシェーピングノイズは100kHzでは盛大になりすぎて、 パワーアンプやツイーターを壊す恐れすらあります。 そこで、多くのSACDプレーヤーではシェーピングノイズ量を安全な範囲に制限すべく 50kHz〜70kHzより上を減衰させるハイカットフィルターを入れています。
100kHzで−30dB近く下げるのが一般的です。 すると当然ながらオーディオ信号も100kHzで−30dB近く減衰することになります。 スペアナ写真にはこれらの様子が良く表れています。


DVD audioの周波数分析例(リニアスケールで0から100kHz)とその解説


DVD audioはマルチビットなのでオーソドックスな動作をします。 ここでのデーターには48kHz付近に何らかの漏れ信号が観測できますが、 シェーピングノイズはありません。
SACDとDVD audioのいずれもが現時点ではマイクロフォンの性能によって制限され、 20kHz以上は収録されていないことがよくわかります。
ごく最近になってサンケンマイクロホンが100kHzまで、 ショップスが40kHzまでを収録可能な音楽用マイクロフォンを発売しましたが、 こういったマイクロフォンが広まれば、 どちらの方式も20kHz以上の超高域は収録可能です。

Q マイクロフォンについて説明してもらえませんか?

マイクロフォンには主にダイナミック型、リボン型、コンデンサー型があります。 コンデンサー型が最も高域まで伸びるので、音楽録音には70%から80%以上は この方式が使われています。コンデンサー型は直径数センチの枠に、 薄い振動板をパンパンに張って共振周波数を上げています。 この共振周波数以下がフラットな特性になり、共振周波数以上は−12dB/octで 下がるからです。この様な動作を弾性制御(スティフネス・コントロール)といいます。 強く張るにも限界があるので、そこから先は口径を小さくすることで共振周波数を上げます。 しかし口径を4分の1にして共振周波数を4倍にすると、 音圧を受ける面積は16分の1になるのでSN比が極端に悪化してしまいます。 そのため殆どの音楽用マイクロフォンの共振周波数は周波数特性とSN比の妥協点で ある20kHz付近になっています。このため現実問題として20kHz以上を収録するのは 簡単ではないのです。

フィデリックス AH−120K(アコースティック・ハーモネーター・システム)のご購入者の声と、 オーディオ誌の試聴記事

★某有名オーディオショップ元店長 印南 勝彦 様
聴いた瞬間に驚いた。鈴木 勲のブローアップなど、鮮やかな生々しさが出るので、 あたかも録音現場に居合わせているかのよう。 ボーカルものは艶、雰囲気が絶妙になり、ライブものは広さや奥行きが再現される。 120kHzのスーパーツイーターが付属してこの値段は本当に安い。

★竹本 様(千葉県)
 CDの硬く、きつく、疲れる音質が改善されるので、SH-20Kをずっと使用してきました。 今回のAH-120Kは音質改善の他に、自然な音場も再現してくれるため 、 クラッシックのみならずポップスにおいても自然な響きのある録音では特に良い結果が 得られました。AH-120Kはスピーカー端子から信号をとるため 、 元の音質劣化は全く無く、CDのみならずレコードの音質をも改善してしまうという驚きの装置でした。 楽器の倍音が豊に伸びて広がり、とても自然な音になりました。 AH-120Kを取り外すと、いままで平気で聞いていた通常のレコードの音がうるさくて、 きつくて、素っ気無く、AH-120Kなしでは聴けなくなりました。 間違って買い、『しまった!!』と思ったデジタル録音のレコードはより大きな改善効果があります。

★ジャズレコードの録音批評家である 長沢 祥 様
明るい所に浮かび上がる絵模様を「透かし絵」という。 空間に鮮やかに結像する演奏者と楽器のカタチは音の「透かし絵」であり アコースティック・ハーモネーターAH-120Kの快心の技である。

★ロン・ティボー国際音楽コンクールで優勝なさったピアニストの 松浦 豊明 様
CDは自分の録音であってもピアノの大屋根が十分に開いてないような音。 これを使うと本来の大屋根を開けたような音になる。 ホールの臨場感もよみがえり、音楽のニュアンスがよく分かるようになる。 CDは10分ほど聴くと疲れるが、これを使うともう疲れない。

★フリッツ・ヴンダリッヒと共演なさった声楽家の 矢野 滋 様
ヴンダリッヒは若々しい声なのにCDだと老けて聞こえる。これを使うと本来の若々しい声に戻る。

★M.C様(東京都)
シゲッティーの古いバイオリン録音でも、音がよく伸びて生々しくなる。響きが豊かになって臨場感が増す。

★A.T様(長野県)
AH-120Kを数日間聴いた後でOFFにすると、CD再生のコツコツしたピアノやザラッとした弦 の音がとても耳障りに感じる。
それまでCD再生に不満は無かったが、 AH-120Kを聴くと認識が変わり、手放せなくなってしまった。

★レコード芸術2006年3月号 (308P)★江川三郎氏のコメント
(前略)今回フィデリックスで発表した新製品は通称 アコースティック・ハーモネーターと呼び、CDの信号を一般のステレオ装置の スピーカー端子から取って合成している。 今回の方法はステレオ装置の信号の流れの途中に装置を割り込ませるのではなく、 スピーカー・システム端子に接続するのでオーディオ・マニアの純粋性を重んずる気分に 逆らわない。さらに今回の製品は専用アンプと専用のスーパー・トウイーター(テイクT) の使用で120kHzの超高域まで再生する。 実際の作業としては、左右のスピーカー端子に結線することとレヴェルあわせだけで済む。 この装置のおかげで今まで気付かなかった演奏家のダイナミズムの特徴があらわれる。 また演奏の音場感によるリアリティーはレコード愛好家にとってかけがえのないことと言える。 

(308P)★編集者のコメント 
今回のハーモネーターは、音のグレード・アップ度がかなり高い。 「ニア・フィールド・リスニング」をしなくても、部屋の外からでも音の違いが分かるほど。
このハーモネーターをつけると音の通りが全然違い、音楽も勢いを増して伸びやかになる。 とくにレガートがなめらかになり、デジタルの点だったものが線になったかのように感じた。

★ステレオ2006年4月号 (56p)★田中伊佐資氏のコメント
 描かれる世界は唯一無二!? (前略)聴いてみると明らかにみずみずしく 清らかになりますね。品がよくなる。試聴曲の「なんて素敵な日」 は冒頭に少しだけストリングスが入るのですが、感触がずいぶん違った。 超高域とはいえ、加えると言われるとなにか不自然になるイメージが ありますけどそれはなかったです。

(69p)★村井裕弥氏のコメント
使い勝手が向上したハーモネータースーパートゥイーターとセットで登場ハーモネーターとは、 同社が12年前に開発したライン挿入型アクセサリー。 CDプレーヤーとアンプの間に入れることで、CD化によって消失した20kHz以上の 超高域成分を付加しCDサウンドをアナログ的に変えることができる。 ただし、「回路の途中に入れる」ということが、シンプル・イズ・ベストに反するということで、 導入をためらうマニアが一部いらしたことも事実。 今回発売されたAHSは、スピーカー出力につなぐので、メイン信号への悪影響は皆無。 発生させた超高域成分を、メイン・システムとは別のパワーアンプと専用の スーパートゥイーターで再生するという、一種のマルチアンプ・システムだ。 本体(超高域成分発生器+パワーアンプ)、ACアダプター、 圧電型スーパートゥイーターと調整用CDがセットになっているので、 これだけ買えば、どんなシステムにも応用が可能。 「CDの音はうるさい」とお嘆きの方に、ぜひお試し頂きたい。

(219p)★江川三郎氏のコメント
今年に入ってから講座に必ず使われるコンポに、フィデリックス社のAHS (アコースティック・ハーモネーター・システム)がある。これはCDでは無視された 20kHz以上の高域を補足再生するものだ。カットされて無いものを後から付け足すのは 信号に忠実でないという人もいる。しかし、現実の音楽には20kHz以上の音が含まれており、 その成分が音の品位や雰囲気に欠かせぬ要素になっている。 そこでフィデリックス・システムは信号の音の動きから超高域の規則を引き出し ホワイトノイズを変調して出力している。 ただし、これだけを耳に当てて聴いても何も感じない。 ところが、20kHz以下の信号と合わせると、トゥイーターとスーパートゥイーターの間に 音像が合成される。そして今まで見えなかった音場や感じなかった演奏のダイナミズムが 再現される。もうAHS無しにレコードは聴けない。それがCDばかりでなく、 SACDやLPレコードまで超高域効果が聴けるのには驚かされる。 それは江川工房の日ばかりでなく、他の曜日でも予約すれば聴くことができる。


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